剪定と伐採、何が違う?富士宮市の現場で求められる知識と安全管理の基本
静岡県富士宮市を拠点に、静岡県東部・中部エリアで造園工事全般を手掛ける株式会社堤造園です。私たちは、庭木の剪定・伐採から設計、メンテナンスまで、お客様の理想の庭づくりをサポートしています。
この記事では、造園業の基本でありながら、混同されがちな「剪定(せんてい)」と「伐採(ばっさい)」の明確な違いについて、プロの視点から詳しく解説します。これから造園の世界を目指す方や、この仕事に興味をお持ちの方にとって、業務の目的や安全管理の重要性を理解する一助となれば幸いです。富士宮市の現場で実際に求められる専門知識の基本を、ぜひご覧ください。

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剪定と伐採の基本的な違いとは?
造園業の仕事内容を理解する上で、まず押さえておくべきなのが「剪定」と「伐採」の違いです。どちらも木を扱う作業ですが、その目的、方法、規模は全く異なります。それぞれの作業が持つ意味を正しく理解することは、安全で質の高い仕事を行うための第一歩です。
剪定の目的:樹木の健全な成長と美観の維持
剪定とは、樹木を「生かし続ける」ことを前提に、枝の一部を切り取る作業です。主な目的は、樹木の健全な生育を促し、美しい樹形を保つことにあります。不要な枝や病気にかかった枝を取り除くことで、内部の日当たりや風通しを良くし、病害虫の発生を防ぎます。また、花や実の付きを良くするためにも行われます。剪定は、いわば樹木の健康診断と治療を兼ねた、非常に繊細で専門的な技術です。
伐採の目的:樹木の除去と安全・空間の確保
伐採は、樹木を根元から切り倒し、「除去する」ことを目的とした作業です。樹木が枯れてしまったり、病気で回復が見込めない場合、あるいは台風などの自然災害で倒れる危険性がある場合に行われます。また、建物の新築や土地の造成に伴い、その場所にある樹木をすべて取り除く必要がある際にも伐採が行われます。人々の安全確保や土地の有効活用が主な目的となり、大規模な重機や専門的な機材が必要となることが多い、ダイナミックな作業です。
一目でわかる!目的・道具・規模の違い
剪定と伐採の具体的な違いを以下の表にまとめました。作業の目的から使用する道具まで、明確な差があることがわかります。
【実践編】造園現場で使われる剪定の主な種類と技術
剪定と一言で言っても、その目的や樹木の状態によって様々な種類があります。ここでは、プロの現場で日常的に使われる代表的な剪定技術を解説します。これらの技術を使い分けることで、樹木の持つポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
強剪定と弱剪定:時期と目的に応じた使い分け
強剪定は、太い枝まで大胆に切り戻し、樹形を大きく変えたり、サイズを小さくしたりする剪定方法です。樹木に大きな負担がかかるため、主に樹木の活動が緩やかになる冬の休眠期(12月~2月)に行います。
一方、弱剪定は、枯れ枝や細く不要な枝を取り除く程度の軽い剪定です。樹木への負担が少ないため、生育期にも行うことができます。樹形を整えたり、風通しを良くしたりする目的で実施されます。
静岡県のような温暖な地域では、樹木の生育が活発な期間が長いため、強剪定の時期を誤ると樹勢を著しく弱らせる原因になります。特に常緑樹は休眠期が短いため、より慎重な時期判断が求められます。
透かし剪定:日照と風通しを改善する繊細な技術
透かし剪定は、混み合った枝や重なり合った枝を根元から切り取り、樹木の内側まで日光や風が通り抜けるようにする技術です。これにより、病害虫の発生を抑制し、残した枝葉の成長を促します。樹木の自然な形を生かしながら、軽やかで健康的な印象に仕上げることができます。どの枝を残し、どの枝を切るかを見極めるには、樹木の骨格を理解する深い知識と経験が必要です。
刈り込み:美しい形を創り出す整形技術
刈り込みは、生垣やトピアリーのように、樹木の表面を一定の形に刈り揃える剪定方法です。刈り込みバサミやヘッジトリマーを使用し、平面や曲面を美しく仕上げます。デザイン性が高く、庭全体の印象を大きく左右する重要な作業です。定期的なメンテナンスが必要ですが、整然とした美しい景観を創り出すことができます。
伐採作業に必須となる法律の知識
伐採は、時に周辺環境や法規制と密接に関わる作業です。特に、一定規模以上の森林を伐採する場合には、法律に基づいた手続きが必要となります。プロとして仕事をする上で、これらのルールを遵守することは絶対条件です。
伐採前に必要な確認事項:所有権と隣接地への配慮
伐採作業を行う前には、対象となる樹木の所有権を明確に確認することが大前提です。また、隣接地との境界線も重要になります。枝葉が越境している場合でも、幹がどちらの土地にあるかで所有権が決まります。作業前には必ずお客様に所有権の確認を行い、必要であれば隣接地の所有者へ事前に作業内容を説明し、理解を得ることもトラブルを避けるために不可欠なプロセスです。
法律による伐採の届け出義務(森林法)
日本の森林を守り育てるため、「森林法」という法律が定められています。この法律により、地域森林計画の対象となっている民有林を伐採する際には、事前に市町村長へ「伐採及び伐採後の造林の届出書」を提出することが義務付けられています。無許可で伐採を行うと罰則の対象となるため、作業対象地が届出の対象かどうかを事前に確認することが極めて重要です。
特殊伐採:高所や狭隘地での高度な技術
重機が入れない狭い場所や、建物が密集している場所、高圧線が近くにある場所など、通常の方法では伐採できないケースがあります。このような状況で行われるのが「特殊伐採」です。ロープやクライミング技術を駆使して木に登り、上から少しずつ枝や幹を切り落として安全に地上へ下ろす、非常に高度な専門技術と豊富な経験が求められる作業です。
富士宮市の現場で最も重要な「安全管理」の基本
造園業、特に伐採作業は常に危険と隣り合わせです。一つの判断ミスが重大な事故につながる可能性があるため、何よりも安全管理を徹底することが求められます。法律で定められたルールを守り、常に危険を予測しながら作業を進める意識が不可欠です。
労働安全衛生法に基づく事業者の責務
働く人の安全と健康を守るため、「労働安全衛生法」では事業者が講ずべき措置が定められています。これには、危険な場所への表示、安全な作業手順の確立、作業者への安全衛生教育の実施などが含まれます。私たち事業者は、これらの責務を果たすことで、従業員が安心して働ける環境を整えなければなりません。
命を守る個人用保護具(PPE)の正しい着用
作業中のリスクを最小限に抑えるため、個人用保護具(PPE: Personal Protective Equipment)の着用は絶対です。特にチェーンソーを使用する伐採作業では、法律で特定の保護具の着用が義務付けられています。
「参照:厚生労働省 職場のあんぜんサイト 労働安全衛生法」、「参照:建設業労働災害防止協会」
危険予知(KY)活動とヒヤリハットの共有
事故を未然に防ぐためには、作業前にチーム全員でその日の作業に潜む危険を洗い出し、対策を共有する「危険予知(KY)活動」が欠かせません。「~かもしれない」と危険を予測し、「だから、~しよう」と具体的な対策を決めることで、チーム全体の安全意識を高めます。
また、事故には至らなかったものの「ヒヤリ」「ハッ」とした体験(ヒヤリハット)を報告・共有することも重要です。これらの小さな気づきが、将来の重大事故を防ぐための貴重な情報となります。
プロの造園職人に求められる総合的なスキル
ここまで見てきたように、剪定と伐採は似て非なるものであり、それぞれに深い専門知識と高度な技術が求められます。剪定では樹木の生命を理解する植物学的な知識と美的なセンスが、伐採では物理的な法則の理解と徹底した安全管理能力が必要です。プロの造園職人は、これらの技術を現場の状況に応じて的確に使い分け、お客様の要望に応え、かつ安全に作業を完遂する総合的なスキルが求められる、非常に専門性の高い仕事です。
株式会社堤造園では、こうした専門技術の習得はもちろん、何よりも安全を第一に考えた作業を徹底しています。この記事が、造園業という仕事の奥深さと、その責任の重さを知るきっかけになれば幸いです。
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