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砂利敷き工事の専門技術|外構工事で重宝される職人スキルアップ法

静岡県富士宮市を拠点に、静岡県東部・中部エリアで造園および外構工事を手掛ける株式会社堤造園です。私たちは、剪定や伐採といった庭木の管理から、防草シートや砂利敷き工事まで、お客様の快適な暮らしを支える幅広いサービスを提供しています。

今回は、外構工事の中でも特に基本となる「砂利敷き」に焦点を当て、その専門技術と、プロの職人として成長するためのスキルアップ法について詳しく解説します。一見、単純な作業に見える砂利敷きですが、実は美しく長持ちさせるためには多くの知識と技術が詰まっています。この記事が、これから造園・外構業界を目指す方々のキャリア形成の一助となれば幸いです。

 

プロの仕事はここが違う!砂利敷き工事の重要工程

砂利敷き工事の品質は、目に見えない下地づくりで決まります。ただ砂利を撒くだけのDIYとは異なり、プロの職人は長期的な美観と機能性を維持するために、一つひとつの工程を丁寧に行います。ここでは、その中でも特に重要な3つの工程を解説します。
 

①鋤取り(すきとり)と整地:仕上がりを左右する基礎づくり

鋤取りとは、砂利を敷く厚さや防草シートの分を考慮して、既存の土や草を一定の深さで取り除く作業です。この作業が不十分だと、仕上がりの高さが不揃いになったり、後々地面が沈下する原因となったりします。鋤取り後は、地面の凹凸をなくし、水勾配(雨水が流れるためのわずかな傾斜)を考慮しながら平らにならす「整地」を行います。この基礎づくりの精度が、工事全体の品質を決定づけると言っても過言ではありません。
 

②転圧(てんあつ):耐久性を高める締め固め作業

整地した地面を、転圧機(プレートコンパクターやランマーなど)を使ってしっかりと締め固める作業が「転圧」です。この工程により、地面の密度が高まり、強度が増します。転圧が不十分な場合、砂利を敷いた後に人や車が乗ることで地面が沈み、轍(わだち)ができたり、水たまりが発生したりする原因となります。特に駐車場として使用する場合は、車両の重量に耐えられる強固な地盤を作るために、複数回にわたる入念な転圧が不可欠です。
 

プロの視点
砂利敷きの美しさと耐久性は、9割が下地処理で決まります。鋤取りの深さ、正確な整地、そして徹底した転圧。この見えない部分へのこだわりにこそ、プロの職人の価値があります。静岡県は比較的降水量が多いため、適切な水勾配を確保し、水はけの良い地盤を作る技術は特に重要です。

 

③防草シート施工:雑草対策の要となる専門技術

砂利の下に防草シートを敷くことで、雑草が生えるのを長期間抑制できます。プロの施工では、シートの性能を最大限に引き出すための工夫が凝らされます。例えば、シート同士を10cm以上重ね合わせる、壁際や障害物の周りも隙間なく敷き詰める、専用の固定ピンを適切な間隔で打ち込むといった基本を徹底します。隙間があるとそこから光が入り込み、雑草が生える原因となるため、細部にわたる丁寧な作業が求められます。
 

資材の知識が品質を分ける!砂利の種類と選び方

砂利と一括りに言っても、その種類は様々です。用途や目的に合わせて最適な砂利を選定する知識は、お客様の満足度を高める上で不可欠なスキルです。ここでは、代表的な砂利の種類と、その品質基準について解説します。
 

砕石と玉砂利の特性と用途の違い

砂利は大きく「砕石」と「玉砂利」に分けられます。それぞれの特性を理解し、適材適所で使い分けることが重要です。
 

種類
特徴
主な用途
砕石
岩石を人工的に破砕したもの。角張っており、粒同士が噛み合いやすく、締め固めると安定する。
駐車場、建物の基礎、道路の路盤材など、強度と安定性が求められる場所。
玉砂利
自然の作用で角が取れて丸くなった石、または人工的に丸く加工した石。色や種類が豊富で意匠性が高い。
庭園、アプローチ、犬走り、花壇など、美観を重視する場所。防犯砂利としても利用される。

 

JIS規格で見る砕石の品質基準

特に駐車場の路盤材などに使用される砕石には、品質を保証するための日本産業規格(JIS)が定められています。例えば「JIS A 5001 道路用砕石」では、粒度(粒の大きさの分布)、強度、耐久性などに関する厳しい基準が設けられています。プロの職人は、こうした規格を理解し、設計強度や用途に応じた適切な品質の資材を選定する知識が求められます。
 

規格上の呼称
一般的な呼び名
主な特徴
C-40 (クラッシャーラン)
C-40、0-40mm
0mmから40mmまでの大小様々な粒が混在。締め固まりやすく、路盤材として広く利用される。
S-30 (粒度調整砕石)
M-30
粒の大きさが調整されており、より高い支持力が得られる。公共工事などで使用されることが多い。
単粒度砕石 5号 (13-20mm)
5号砕石
粒の大きさが揃っている。駐車場の仕上げ(上層)や、水はけを良くしたい場所に使用。

「参照:JISC 日本産業標準調査会(JIS A 5001で検索)」
 

静岡県東部・中部エリアで使われる代表的な砂利

富士宮市や富士市、沼津市などを含む静岡県東部エリアでは、地域で産出される資材も活用されます。例えば、富士山の火山活動によって生まれた「富士砂(溶岩砂利)」は、黒色で多孔質な特徴を持ち、和風庭園やアプローチに独特の風合いを与えます。地域の特性を理解し、景観に調和する資材を提案できることも、地域に根差した職人の強みとなります。
 

 

外構職人として成長するための必須スキルと資格

高品質な砂利敷き工事を行うためには、手作業の技術だけでなく、関連する知識や資格を習得し、総合的なスキルを高めていくことが重要です。ここでは、職人としてのキャリアアップに役立つスキルと資格を紹介します。

 

作業効率と品質を上げる建設機械の資格

転圧作業で使用するプレートコンパクターや、小規模な鋤取りで活躍するミニバックホーなどの建設機械を操作するには、法律で定められた資格が必要です。これらの資格を取得することで、作業の幅が広がり、効率と品質を飛躍的に向上させることができます。
 

資格の種類
根拠法令
対象となる主な機械
ローラーの運転の業務に係る特別教育
労働安全衛生規則 第36条 第9号
ロードローラー、ハンドガイドローラー(転圧機)など全てのローラー
小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の運転の業務に係る特別教育
労働安全衛生規則 第36条 第1号
機体質量3トン未満のミニバックホー、ブルドーザー、ホイールローダー(ショベルカー)など

「参照:e-Gov法令検索 労働安全衛生規則」「参照:建設業労働災害防止協会」

 

正確な施工に不可欠な測量技術

正確な水平や水勾配を出すためには、測量技術が不可欠です。水準器やレベルといった測量機器を正しく使いこなすスキルは、高品質な施工の基礎となります。特に広範囲の整地や、厳密な高さの管理が求められる現場では、測量の知識と技術が職人の信頼性を大きく左右します。経験を積みながら、これらの機器の取り扱いに習熟していくことが大切です。
 

現場で求められるコミュニケーション能力

工事は一人で完結するものではありません。現場監督や他の職人、そして何よりお客様との円滑なコミュニケーションが、スムーズな工事進行の鍵となります。お客様の要望を正確にヒアリングし、工事の進捗を分かりやすく報告する能力も、技術と同じくらい重要な職人のスキルです。日々の挨拶や丁寧な言葉遣いを心がけることが、信頼関係の構築につながります。
 

基礎技術がキャリアを築く

砂利敷き工事は、外構・造園工事における基礎でありながら、その品質は職人の技術と知識に大きく依存する奥深い仕事です。丁寧な下地処理、適切な資材選定、そして安全な機械操作といった一つひとつの技術の積み重ねが、お客様の満足と信頼につながります。地道な作業に見えるかもしれませんが、ここで培った基礎技術は、より複雑で大規模な工事に挑戦する上での確かな土台となります。

株式会社堤造園では、こうした基礎を大切にし、職人一人ひとりが着実にスキルアップできる環境を整えています。この記事を通して、砂利敷きという仕事の専門性と、職人として成長していく面白さを感じていただけたなら幸いです。
 

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